温かい季節はラムダッシュでのウエット剃りに満足していたのですが、冬場は寒いので風呂場や洗面所に居る時間を減らしたいものです。
だからドライ剃り用に適したシェーバーがあれば良いなぁ、…と思ってたところ、フィリップスのキャンペーンを知り、試しにフィリップスシェーバーを買ってみました。
これで私は、フィリップス、パナソニック、ブラウン、3大ブランドの電動シェーバーを揃えた事になります。ならば3社のシェーバーを比較しようじゃないか、というページです。
電動シェーバーの選び方、シェーバー選びにおいてチェックしておきたい項目、そして各メーカーの傾向の違いが1ページで分かる!…ことを目指しました。
2012/09/16追記 ブラウンの新型シリーズ7と、パナソニックの5枚刃ラムダッシュとの比較ページを作りましたので、よろしければどうぞ↓ 2012年現行のパナとブラのシェーバーを実際に使い比べてみた |
ブラウンはパワフルで豪快なサウンド。「剃ってる感」がある音ですね。
パナソニックは高周波と言った感じ。
フィリップスは「シュルルルル」という感じ。
フィリップスは明らかに静かです。静音。音が小さい。モーターの回転運動を回転運動のまま内刃に供給しているわけですから、動作ロスが少ない。
一方、往復刃の一般的シェーバーはモーターの回転運動を往復運動に変換している形ですので、動作ロスが大きい、つまり音(振動)に変換されてしまう。
…ということだと思います。
このフィリップスの音の静けさを、「こりゃモーターの力が弱いという事に違いない!だから剃れないに違いない!」と、誤って解釈してしまう人が多いのではないか、と危惧してしまうレベル。忙しい朝、テレビやラジオの音を聞きながら剃りたいのならば、フィリップスがおすすめです。
また、入院中の方や、寮生活の方、深夜に髭を剃る必要がある方にもおすすめ。
パナソニックやブラウンの電気シェーバーでドライ剃りすると、辺りに飛び散ったり、顔にくっついていたりする、髭クズ。
特にブラウンは、けっこう豪快に髭クズを撒き散らします。
一方、フィリップスの場合は蓋の中にキレイに髭クズが収まっていて、飛び散りはほぼゼロ。…パナソニックやブラウンに慣れている私としては、ちょっとした奇跡に見えます。
特に、クルマの中やオフィスで髭剃りする人にとって、髭クズが飛び散らずに周りを汚さないというのは強力なおすすめ要素だと思います。
ブラウンやパナソニックの水洗い可能モデルの場合は、
…と、けっこうな手間がかかり、そして必ず手が濡れます。
一方、フィリップスの場合は、
…こんな感じで、髭クズや水に触れる事なく手入れが完了します。フィリップスの場合は、ハンドソープ不要、オイルをつけるのも不要です。
ブラウンの場合は、「刃面に潤滑性を与え、なめらかな剃り味が得られます」と謳うブラウン シェーバークリーナーを使うか、自動アルコール洗浄システム(洗浄液に潤滑性を高める成分が含まれている)を使う事になります。
パナソニックの場合は、「刃面に潤滑性を与え、防錆効果を高め、切れ味を快適に長持ちさせます」と謳うシェーバーオイルを使うか、潤滑剤入りの専用洗浄剤を使う全自動洗浄システムを使う事になります。
このように、一般的な往復刃のシェーバーにオイル使用が推奨されている一方で、フィリップスシェーバーは注油が不要です。
ブラウンやパナソニックの場合は、1年〜2年ごとに替え刃を交換しなければ剃り味が落ちてしまいます。
一方、フィリップスは自動研磨システム(Self-sharpening blades)により、刃の切れ味が異常に長持ち。交換時期の目安は5年とされています。最近は2年ごとの交換を推奨しているようです。
シェーバー本体価格に替え刃の価格を加えたトータルコストは一体幾らになるでしょうか。
メーカーごとに、替え刃更新のタイミングが異なる点に注意が必要です。
新しいシェーバーの購入を考える際、本体価格にばかり視線が注がれてしまいがちですが、替え刃の価格を含めたランニングコストを考える事も重要かも知れません。
「水洗い対応シェーバーならウエット剃り出来るんでしょ?」と思われる方も多いと思いますが、実はそうではないんです。
水洗いに求められる防水性能と、ウエット剃りに求められる防水性能とは、けっこう違うようで、「水洗いはできるけどウエット剃りは無理だ」という機種が多く存在します。
ブラウンの場合は、ウエット剃り対応を謳うSeries3の一部機種のみウエット剃り可能ですが、その他の全機種でウエット剃りは不可能です。
フィリップスの場合は“センソタッチ3D”と“センソタッチ”と“アクアタッチ”ではウエット剃り出来ます。
その他の機種では「浴室では使用しないでください(感電、ショートの原因になります)」とされていますので無理です。
パナソニックの場合は、けっこう複雑です。同じ防水シェーバーでも、「WASHABLE」を謳うタイプと、「WET/DRY」を謳うタイプとがあり、
WASHABLE:水洗いできるタイプ(交流充電式)。AC電源に接続した状態での水洗い、石けん剃りはできません。
WET/DRY:水洗いできるタイプ(充電・電池式)。
…とされています。
「WASHABLE」のシェーバーでAC電源に接続した状態で水洗いやウエット剃りをすると、感電などの危険があるので止めろ、という事ですね。これは当然です。
では、「WET/DRY」の充電式シェーバーにAC電源を接続するとどうなるのかというと、動作しません。「WET/DRY」の充電式シェーバーは、交流式としては使用できない仕組みになっているようです。電池残量が無い時にコンセントにつないでも動作しないのは不便かと思いますが、ついうっかりAC電源に接続したままウエット剃りをしちゃう事を防ぐための、安全安心設計という事ですね。
「なら、『WASHABLE』の方でAC電源に接続して居ない場合はどうなの?ウエット剃り出来るの?」って疑問が湧いてきますが、これは出来ます。利用者の安全のために、「WASHABLE」のシェーバーでウエット剃り出来ることをあえて説明していない、との事でした(パナソニック電工株式会社に問い合わせました)。
ちなみに、
日立の現行シェーバーで防水を謳うものは、全てウエット剃り出来るとカタログで謳っています。
三洋の現行シェーバーで防水を謳うものも、全てウエット剃り出来るとカタログで謳っています。
なお、シェーバー内部に結露や錆びが発生するのを防ぐため、防水シェーバーと言えども風呂場や湿気の多い所は避けて保管しましょう。
ブラウンはバリバリ剃り進めていく感じ。パワフルそのものですね。ブラウンのパワフル感が好きな人は多いと思います。シンプルな作りの首振りヘッドが見事に顔面に密着し、素早く剃り上げる事ができます。
パナソニックはブラウンよりも肌に優しい感じ。リニア駆動ですので、髭の濃いところを剃る時もストローク数が落ちません。また、バッテリーの残量に関わらずストローク数が変わりません。バッテリーが減ってきても、バッテリー満タンの時と同じ勢いで動作します。ハイテクを感じます。髭剃りスピードと、肌への優しさとのバランスが良い感じです。
フィリップスはチョリチョリ剃り進めていく感じなので、豪快さには欠けます。しかし、とても肌に優しく、同じ所に何度も繰り返し当てても肌荒れしづらいので、往復式シェーバーで肌荒れや出血を気にしつつ剃る場合よりも、むしろ納得いくまで剃る事ができると言えます。
ブラウンは、けっこう激しい振動が手に伝わります。
パナソニックの場合、2枚ある内刃が逆方向に動いて振動を打ち消し合う仕組みになっています。とは言え、完全に打ち消されるわけではなく、ブラウンほどでは無いですが、そこそこ振動は伝わってきます。
フィリップスの場合は、筋力が弱ったおじいちゃんが持っても安心なレベル。振動はあまり感じません。
各社のシェーバーの振動の違いが映像で分かるように、動画を作ってみました。
この動画では、板の裏に消しゴムを挟み、手前に向けて傾きをつけています。その板の上でシェーバーを動作させた様子です。
フィリップス、パナソニック、ブラウンの三社で、電気シェーバーの市場シェア9割を占めているそうです。
このページを見て下さっている方の多くも、この三社の中から選択する事になるものと思います。
「結局どれがベストなの?」という声が聞こえてきそうですけども、全部買って試すのがベストだと思います。それぞれ得手不得手があり、個々人に合う合わないがありますからね。
また、「鼻の下やホッペは高速なブラウンを使い、くせ毛が生えていて肌の弱めな喉仏周辺は肌に優しいフィリップスで。」みたいな二刀流や、それにウエット剃り用パナソニックシェーバーを加えた三刀流もアリかと思います。
ただ、肌が弱い&ヒゲが濃い私の個人的感想としては、「ドライ剃り用ならフィリップスが超おすすめ!」って感じです。
ラムダッシュでウエット剃りした場合の体感深剃り度を10とすると、フィリップスでドライ剃りしたときの体感深剃り度は7〜8です。
「なんだよ、深剃りできねーんじゃ意味ねえじゃん」と思われる人もいるかも知れません。しかし、重要な事は「深剃り度合いと肌荒れ度合いという両方の要素で、肌の見た目が決まる」って事だと思います。
“肌荒れ有り+深剃り度10”よりも、“肌荒れ無し+深剃り度7”の方が、見栄えが良いのです。
ドライ剃りの場合は無理せずフィリップスを使い、深剃りが必要な時には、肌に優しく深剃り出来るウエット剃りをする。…個人的にはこんな感じに落ち着きました。