両刃カミソリとは、その名が示す通り、刃面の両側に刃が付いた昔ながらのカミソリ刃のこと。
専用ホルダーにセットする事でヒゲ剃りとして使えるわけですが、SchickやGilletteなどのいわゆるカートリッジ式タイプよりも深剃り性能やコスト面で優れているとの話を聞き、さっそく試してみました。
このページの要約:「時間や手間がかかっても構わないので、とにかく深剃りを極めたい」という方には超オススメ
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こういったタイプをカートリッジ式カミソリと呼びます。
複数枚の刃が固定されてカセット形式になっているタイプです(写真に写っているのは全て5枚刃仕様)。
首振り機構や、刃の土台部分のクッション性など、肌への負担を減らす為のさまざまな工夫が施されています。
いま、カミソリと言えば、このカートリッジ式の方を指すのが一般的です。
替え刃の価格は高価で、5枚刃タイプともなると、1カートリッジあたり200円〜300円ほど。
ホルダーごとに指定された替え刃を選ぶ必要があり、他のメーカーの替え刃を流用することはもちろん不可能です。
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こういったタイプを両刃カミソリ、と呼びます。
頭部に両刃カミソリが格納されている仕組みです。
いまとなっては入手が少し難しい、昔ながらのタイプと言えます。
替え刃の価格は極めて安く、FEATHER社(日本)ブランドでも一枚あたり35円程度。
ダイソーのノーブランド品(韓国製)ならば一枚あたり10円(!)という、驚きのコストパフォーマンス。
なお、驚くべき事に、両刃カミソリにはメーカーを超えての互換性があり、他のメーカーの刃でも使えます。
ドイツ製高級ホルダーにダイソーの安い刃を取り付けたり、逆に、ダイソーのホルダーにドイツ製の刃を取り付けたり、といった使い方が可能です。
今回選んだホルダーはこちら。
Feather(フェザー)の両刃カミソリ、その名も「Popular(ポピュラー)」です。
替え刃2枚と、プラスチックのケース付き。パッケージ裏面の注意書きを読みたい方はこちら。
メタルパーツが多用されており、そこそこ重量があります(35グラム)。
(カミソリはある程度の重量があった方が、その重みによって安定する事でブレが減り、剃りやすくなります。)
ホルダーの柄を回転させる事で、開口部がパカッと開く仕組み。
ちなみに、柄の締め付け具合で刃先の角度を微調整する事が出来ます(好みの剃り味を選べる)。
開口部が開いたら、手で刃を取り外せます。
剃った直後の肌を撮影した画像がこちら↓
マイクロスコープカメラ(顕微鏡)で撮影した、剃った直後の肌 (クリックで拡大します) |
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頬(ほほ) | 鼻下 | あご | のど |
今までに使ったどのシェーバー、どのカミソリよりも深剃り出来ます(マイクロスコープ剃り比べページも参照下さい)。
まるで冗談かと思うほどの深剃りです。
剃り終えた肌を触ったときに、まるで歯磨き後の歯のように「キュッキュッ」と音が鳴ります(笑)。
ヒゲ剃りした翌朝に洗顔したときに、まだ肌がツルツルで、たいへん驚きました。
しかし、扱いには熟練を要します。
刃にクッション性を持たせる仕組みが備わっていない為に、指先の力が極めてダイレクトに刃先に伝わります。
このため、力の加減が非常に難しく、習熟するまでは流血必至です。
かなりの集中力が要求されます。
逆に、クッション性が無いことのメリットもあります。
剃っている時の感触やチリチリ音がダイレクトにハッキリ聞こえる為、剃り具合を感触と耳で確認出来るのです。
満足いくまでどこまでも深剃りを追究出来る感じ。
…両刃カミソリを使ってみた事で、はじめてカートリッジ式カミソリの扱いやすさに気づきました。
カートリッジ式カミソリにはクッション性を持たせる仕組みが備わっており、また、刃が複数ある事によって力が分散される為に、なかなか流血沙汰には成りづらいのですが、一方、両刃カミソリはちょっとした気の緩みで即・流血です。
まとめると、こんな感じです。
刃を当てる角度や力加減に集中する必要があるので、半分寝ぼけているような寝起き状態で使うのは厳しいかも知れません。
夜に風呂に浸かりながら時間をかけて完璧に剃りたい、そんな人に向いているのではないでしょうか。
舶来の高級ホルダーや、シェービングブラシなど、用具を集める喜びみたいなものもあるかも知れませんね。
フランスパンやクレープなどの切れ込み(クープ)を入れるのに、なんと、両刃カミソリが使われているようです。
切れ味が鋭い為にパン生地を潰す事なく切れ目を入れられるというわけで、パン自作派にとっては常識(?)なようですが、私は全く知りませんでした。
ホルダー | 替え刃 |
このページで紹介した FEATHER社の「ポピュラー」 |